01.28
Wed
勉強ノート&メモ 2015. 01.28.Wed.01:49
※この記事は2014-15ルールに基づく記事ですので、ご注意ください。

「ジャッジスコアを読む」の続きです。

前回の復習は、テキストのこちらで。
 テキスト2 > ジャッジスコア
TES・PCSの計算方法、小高さんの解説動画がまとめられています。

今回は、技術要素点(TES)に関して、エレメンツのうちジャンプの表記とその採点方法について取り上げます。
TES詳細が書かれているのは以下の部分。

gpf1415_Men_SP_Scores-6.jpg

各エレメンツの基礎点(Base Value:以下、BV)は以下で調べられます(PDFファイルを見られない方は下のWikipediaで)。
国際スケート連盟コミュニケーション第1884号 > 価値尺度(SOV)表「BASE」値
◆フィギュアスケートの採点法(Wikipedia) > 1.8 要素の得点


1. 基本の計算

上記スコア#01「4T」のように、それ以外、何も記載がないジャンプの基礎点(BV)については、SOV表の「BASE」値がそのまま採用されます。ただし、#04「3A」、#05「3Lz+3T」のように、演技後半のジャンプについては、基礎点が1.1倍になります(BV値の横に「x」と記載)。


2. 回転不足、エッジエラーの場合の計算

回転不足やエッジエラーの判定・採点については以下に規定されています。
テクニカルハンドブック2014/15(PDF) p17参照
国際スケート連盟コミュニケーション第1884号 p7枠外「要素の要件」参照

概略まとめると以下のようになります。

【回転不足・ダウングレード判定について】
・1/4の不足までは回転認定
・1/4超~1/2未満の不足 : 回転不足判定(Under-rotated:以下、UR)=「<」 基礎点 ×70% →  V1
・1/2以上の不足 : ダウングレード判定(Downgraded:以下、DG)=「<<」 1回転少ないジャンプの基礎点

【エッジエラーについて】
・フリップ(F)はバック・インエッジ、ルッツ(Lz)はバック・アウトエッジからの踏み切り
・踏み切りがはっきり間違っている場合 : 「e」 ・・・・・ 基礎点 ×70% → V1
・踏み切りが明確でない場合 : 「!」 ・・・・・ 基礎点そのまま
・両方の間違いともジャッジのGOEに反映される。
・「<」かつ「e」の場合は、基礎点 ×50% → V2

※補足※
ジャンプ基礎点減点のケースにおいて「ISUコミュニケーション1861号」の表では、BASEの「70%」「50%」と記載されていますが、その後発行された「1884号」では、%表示がなくなり、「V1」「V2」という表示に変更されています(計算上も必ずしも70%、50%ではない)。

※追記:2014-15ルールの「V1」「V2」は、2015-16ルールでは、「V」「V1」表記に改訂されました。


計算実例をふたつ。

(ex.1)
score-ex3.jpg
(ex.2)
score-ex4.jpg


(ex.1)
#04 「2A<」 ・・・・・ SOV表より、2AのBASE:3.3 だが、UR(<)判定のため、V1:2.30
#01 「3F+3T<<」 ・・・・・ 3FのBASE:5.3 、3TはDG(<<)のため、2TのBASE:1.3 。よって、5.3+1.3=6.60
#06 「3F<」 ・・・・・ 3FのBASE:5.3 だが、UR(<)判定のため、V1:3.7 。後半なので、3.7×1.1=4.07
#09 「3Lz<e」 ・・・・・ 3LzのBASE:6.0 だが、UR(<)かつ「e」判定のため、V2:3.6 。後半なので、3.6×1.1=3.96

(ex.2)
#01 「2F!」 ・・・・・ 2FのBASE:1.9 (基礎点そのままだが、「!」のため、GOEで考慮)
#02 「3Lz<!」 ・・・・・ 3LzのBASE:6.0 だが、UR(<)判定のため、V1:4.2 (「!」はGOEで考慮)


【補足】 エッジエラーの場合の最終的なGOEについて
※「e」は、最終的なGOEが必ずマイナスとなるエラー、「!」は、最終的なGOEの+-は制約されないエラー。



※その他、GOEの判定基準については(4)で後述。


3. ジャンプの回転不足判定について

ジャンプの回転不足の見極めについては、明らかにそれと判るケースもある一方、きわどいものも多く、TV映像で素人が見分けるのはとても困難ですし、一見それらしく見える怪しい解説動画も出回っていますので気をつけたいです。そもそもジャッジと私たちが観ている映像は違いますし、訓練された複数のジャッジの判断よりも、ごく一部の素人がTV映像から切り取った画像で判定した方が正しいと強固に主張して譲らないようなものは、自分はまず疑うようにしています。もちろんジャッジとはいえ人間ですから、100%ミスやブレがないかと言われれば、そんなことはないでしょう。けれど、総合的にどちらが「より」正しいかは・・・言うまでもないことかと思います。

以下はフィギュア経験者の方々の解説です。

【小高あたるさんの解説動画】
ジャンプの回転不足について vol.1 概要
ジャンプの回転不足について vol.2 実例をもとに


【うるとらにゃんさんのブログ&解説】
★回転不足の見方★ 審判はこう見ている・・・







4. GOE採点ガイドライン(シングル競技のジャンプに関して)

ジャンプのGOEがどのような場合にプラス、あるいはマイナスになるのかについては、以下に規定されています。具体例が挙げられればいいのですが、項目が多岐にわたっている上、抽象的なものも多く難しいので、ここでは要点のみピックアップしておきます。

ISUコミュニケーション第1861号
 > III. シングル/ペア要素の更新された+GOE 採点ガイドライン(プラス面)(p11)参照
 > IV. SP,FS でのエラーに対するGOE 確定のためのガイドライン(p13)参照 

【プラス要因】 以下1)~8)のうち、2項目なら(+1)、 4項目なら(+2)、6項目以上なら(+3)
1) 予想外の / 独創的な / 難しい入り
2) 明確ではっきりとしたステップ/フリー・スケーティング動作から直ちにジャンプに入る
3) 空中での姿勢変形 / ディレイド回転のジャンプ
4) 高さおよび距離が十分
5) (四肢を)十分に伸ばした着氷姿勢 / 独創的な出方
6) 入りから出までの流れが十分(ジャンプ・コンビネーション/シークェンスを含む)
7) 開始から終了まで無駄な力が全く無い
8) 音楽構造に要素が合っている

【マイナス要因】
jump-GOE-error.jpg




次回は、スピンについて取り上げる予定です。

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