02.19
Thu
勉強ノート&メモ 2015. 02.19.Thu.09:40
※この記事は2014-15ルールに基づく記事ですので、ご注意ください。

ちょっと間が空いてしまい申し訳ありません。前回記事ジャンプの採点方法に引き続き、今回はスピンの表記についてのまとめです。この記事では、スピンの種類と判定方法についてスコアの表記を元にそれを読んで理解するところまでに焦点を絞ります。具体的な演技やレベル判定に関わる動作については別記事にします。

あらためまして、いつも技術関連記事でお世話になっております うるとらにゃんさん、小高あたるさん、空色羊さんに感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。


【教科書・参考資料】
◆テキスト2:「採点ルールと技術解説まとめ Wiki*」 > スピン解説
ISU テクニカルパネル ハンドブック(シングル・スケーティング2014/2015版)(PDF)
国際スケート連盟コミュニケーション第1861号(PDF)
国際スケート連盟コミュニケーション第1884号(PDF)





1. スピンの種類

◆アップライト(U)
 UF:アップライト・フォワード
 US:アップライト・ストレートまたはサイドウェイズ
 UB:アップライト・ビールマン
 UL:アップライト・レイバック
◆シット(S)
 SF:シット・フォワード
 SS:シット・サイドウェイズ
 SB:シット・ビハインド
◆キャメル(C)
 CF:キャメル・フォワード
 CS:キャメル・サイドウェイズ
 CU:キャメル・アップワード
◆非基本姿勢(NBP)


それぞれの主なポジションについては、以下の資料を参照。
ISU テクニカルパネル ハンドブック(シングル・スケーティング2014/2015版)
(p13~写真で実例紹介。「キャメル・サイドウェイズ」は羽生選手のパリ散ドーナツですね)。

◆【動画】フィギュアスケート解説 スピンポジション
※少し古い動画なので、記載されているカテゴリー数などはこの後変更されていますのでご注意を。ポジションの実例としてご覧ください。




2. 略号表記の仕方と基礎点

では、実際にスコアに表記されている略号は、どう読むのかについて。
小高さんのツイートがとてもわかりやすいので、埋め込み表記させていただきます。

◆小高あたるさんのTwitter(@ataru_kodaka) より



コンビネーションスピンの「姿勢の数」「V1、V2」などは、今季から表記に加わりました(※追記:2015-16シーズンからは「V、V1」表記に変更になりました)。どんどん長く、複雑になっていきますね・・・。ただ、まずは基本構成を抑えておけば、おおよそ意味を掴むことができると思います。各要素の基礎点は以下で調べられます。

国際スケート連盟コミュニケーション第1884号 p2から
◆フィギュアスケートの採点法(Wikipedia) > 1.8 要素の得点

※再追記:2016-17シーズンは以下のように変更になりました。

コミュニケーション第2014号(p3)より
第610条 スピン・コンビネーションの定義
スピン中に少なくとも2種類の基本姿勢を含み、各姿勢で2回転しなければならない。最大価値を獲得するためには、スピン・コンビネーションは3種類の基本姿勢をすべて含まなければならない。基本姿勢が2種類のみのスピン・コンビネーションは記号“V”が付され採点される。



3. レベルについて

スピンの「レベル」と言ってしまうと、数値が高い方が難しいことをしていると考えがちですが、それは一部正しくもあり、完全に正確でもありません。国際スケート連盟コミュニケーション第1884号には、こう書かれています。

(p7より)難度レベル(シングル・スケーティング,2014-2015シーズン)
各レベルの特徴の数: レベル1は1個 レベル2は2個 レベル3は3個 レベル4は4個


つまり、定められた特徴をいくつこなしたかでレベルが決まるのであって、そのひとつひとつが難しいかどうかではありません。ただ、数をたくさんこなす方が難しいのは確かなので、そういう意味において、レベル4を「最高難度」という言い方をすることがあるのだと思います。

◆うるとらにゃんさんのTwitter(@Spica_Sk8)より


また、スピンのレベル要件については、毎年少しずつ見直しがされています。それをまとめてくださったのが空色羊さんのこちらの記事です。

【空色羊さんのブログ】
◆レベル要件の変遷(表) http://ameblo.jp/sorairohituj1/entry-11751739612.html
(記事:スピン構成の変遷 ( 2008_09 ~ 13_14 ) より)

これを見ると、どんどん難しく厳しくなっていることがわかりますね。進化し続けなければ得点を伸ばせないどころか維持することもできない・・・。技術の進歩は選手の皆さんの努力の賜物です。



4. まとめ

以上の内容を含め、スピンについて解説してくださっている動画です。上記をざっと読んだ上でご覧になると、よりわかりやすいのではないかと思います。

【小高さんによる動画解説】
スピンについて vol.1 ポジション(姿勢)
スピンについて vol.2 スピン要素の種類
スピンについて vol.3 レベル特徴



5. 補足

a. 国によるジャッジスコア(プロトコル)表記方法の違いについて
各国大会におけるスコアの表記方法は国によって少しずつ違います。一例としてロシアのスコアについて、小高さんがご自身のブログで解説してくださっていますので、ご参考まで。
ロシア大会のリザルトで使用されているスピン、ステップのレベル特徴略語


b. ISUコミュニケーション~スピンに関する記述部分
ISUコミュニケーションから、スピンに関する記述部分のみを抜き出しました。判定基準はこれが元になっています。全文読んで理解するのはあまりにも大変なので、少しずつ必要なときに拾い読みできるように、自分確認用に貼っておきます。長いので、「続きを読む」からどうぞ。




国際スケート連盟コミュニケーション第1884号よりスピンに関する記述部分のみ引用

<II. シングル/ペア要素の更新された難度レベル>
難度レベル(シングル・スケーティング,2014-2015シーズン)
各レベルの特徴の数: レベル1は1個 レベル2は2個 レベル3は3個 レベル4は4個

1) 難しいバリエーション(下記の制限内であれば行われるごとに数える)
2) ジャンプにより行われる足換え
3) スピンの中で足を換えずに行われるジャンプ
4) 足を換えずに行われる難しい姿勢変更
5) スピンへの難しい入り方
6) シット姿勢またはキャメル姿勢,レイバック姿勢,ビールマン姿勢での明確なエッジの変更(シット姿勢の場合にはバック・インサイドからフォア・アウトサイドのみ)
7) (1回目の)足換え後の足で3基本姿勢すべてを行う
8) シット姿勢またはキャメル姿勢でのただちに続けて行う両方向のスピン
9) キャメル姿勢,シット姿勢,レイバック姿勢,ビールマン姿勢での明確な回転速度の増加
10) 姿勢/バリエーション,足,エッジを変更せずに少なくとも8回転(キャメル,レイバック,基本姿勢の難しいバリエーション,非基本姿勢の難しいバリエーション(スピン・コンビネーションのみ))
11) フライング・スピン/フライング・エントランス・スピンにおけるフライング・エントリーの難しいバリエーション(明確化も参照のこと)
レイバック・スピンに対する追加的な特徴項目:
12) バックからサイドまたはその反対への1回の明確な姿勢変更.それぞれの姿勢で少なくとも3回転ずつ.(ほかのスピンの一部分としてレイバック・スピンが行われた場合も数える)
13) レイバック・スピンからのビールマン姿勢(SP – レイバック・スピンで8回転してから)

特徴 2 - 9, 11 - 13 を数えるのは,プログラム中で(最初に試みられた)一度のみである.特徴 10 を数えるのは,プログラム中で一度のみである(ただし,成し遂げられた最初のスピンにおいてのみであり,このスピンの中で左右いずれの足でも8回転が行われた場合は,スケーターの有利になるようにどちらか一つを数える).
基本姿勢での難しいバリエーションは,いずれのカテゴリーもプログラム中で(最初に試みられた)一度のみ数えられる.非基本姿勢での難しいバリエーションが数えられるのはスピン・コンビネーションだけであり,プログラム中で(最初に試みられた)一度のみである.
いずれの足換えを伴うスピンでも,一方の足で獲得することができる特徴の数は最大2個である.

◆要素の要件 (次頁にある明確化も参照のこと)
1) ショート・プログラム,フリー・スケーティングにおける(足変え無しで1姿勢のみの)フライング・スピンでは以下が要求される:a) はっきりと分かるジャンプを行うこと;ジュニアのショート・プログラムにおいてのみ ,スケーターは指定された空中姿勢を取ることも要求される. b) 着氷後,最初の2回転以内に基本姿勢に達し, その姿勢に最初に達した瞬間から,その姿勢を2回転保持すること.記号(V1)は,これらの要求事項のうち1つの項目が満たされなかったことを示しており,記号(V2)は,両方の要求事項が満たされなかったことを示している.
2) 足換えを伴うどのスピンでも:左右の足それぞれに,少なくとも1つの基本姿勢を含むことが要求される.記号(V1)は,この項目が満たされなかったことを示す. 記号(V1)が付いたスピンの基礎値は,SOV表のV1の欄に記載されたとおりである. 記号(V2)が付いたスピンの基礎値は,SOV表のV2の欄に記載されたとおりである. 2または3つの基本姿勢がある(それぞれの基本姿勢で少なくとも2回転回っている)スピン・コンビネーションの基礎値はSOVに反映されている.

◆明確化: シングルの難度レベル,2014-2015シーズン
スピン姿勢の難しいバリエーションとは,身体の部分すなわち脚,腕,手,頭などの動きが大きな肉体的強さや柔軟性を要し,体幹部のバランスに影響を与えるものである.これらのバリエーションだけがレベルを上げる.難しいバリエーションには11のカテゴリーがある.その中の3カテゴリーはキャメル姿勢であり,肩のラインに基づいて区分している.肩のラインが氷面に平行であるキャメル・フォワード(CF),肩のラインを氷面と垂直位置にまでひねるキャメル・サイドウェイズ(CS),肩のラインを氷面と垂直位置を超えてひねるキャメル・アップワード(CU)がある.難しいキャメル姿勢を準備する間にフリー・レッグの位置が長々と下がる場合には,該当するレベル特徴は与えられるが,ジャッジは「拙劣な/ぎこちない/美しさを損ねる姿勢」であるとしてGOEの減点を適用する.単一姿勢のスピンにおいて,必要とされる基本姿勢に達するまでにスケーターが長々とかかる場合には,ジャッジは同様のGOEの減点を適用する.
“ジャンプによって行われる足換え”および“スピンの中で足を換えずに行われるジャンプ”:これらがレベル特徴として数えられるのは,スケーターがジャンプ前に基本/非基本姿勢で2回転を行い,着氷後の最初の2回転以内に基本姿勢に達し,この基本姿勢を少なくとも2回転保つ場合のみである.
“スピンへの難しい入り方”:通常のバックワード・エントリーは,もはや難しい入り方とはみなさない.
“(1回目の)足換え後の足で3基本姿勢すべてを行う”:シングルおよびペアの要件を統一するために導入された.
“シット姿勢またはキャメル姿勢でのただちに続けて行う両方向のスピン”:シット,キャメルの基本姿勢で両方向(時計回りと反時計回り)へのスピンをただちに続けて行なった場合,すべてのレベルにおいてレベルを上げるための特徴としてカウントする.各回転方向少なくとも3回転が必要である.このように両方向に行なわれたスピンは1つのスピンとみなされる.
“フライング・スピン/フライング・エントリー・スピンにおけるフライング姿勢の難しいバリエーション”:これらがレベル特徴として数えられるのは,そのフライング姿勢が実際に難しい場合のみである.例えば,フライング・シット・スピン/フライング・シットから入るスピンでは,空中での完全なシット姿勢(で,高さがあり,全体の動作がコントロールされているもの),空中でのオープン・バタフライ姿勢(で,着氷後ただちにシット姿勢をとるもの)などがある.フライング・キャメル・スピン/フライング・キャメルから入るスピンでは,明確なバタフライ・エントランスや,空中でほぼスプリットとなる姿勢などがある.入りが“難しい”かつ“フライング”の場合は,“フライング”の特徴のみが数えられ,“難しい入り方“の特徴は試みたとはみなさない.
通常のフライング・キャメルの入りを行っていても,(別のスピンで行う)難しいフライング・エントランスをレベル特徴として数えることができる.



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