03.03
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勉強ノート&メモ 2015. 03.03.Tue.09:04
※この記事は2014-15ルールに基づく記事ですので、ご注意ください。

テクニカルハンドブックを読む続きです。スピンとジャンプは規定が複雑で説明が長いので何回かに分けて読んでいきます。まず今回はスピン編<概要>です。以前の記事「ジャッジスコアを読む(3)~スピンの表記について」を読んでおられない方は、先にそちらをご覧ください。スピンの種類やスコア表記に基づく基本事項がまとめてあります。


【教科書・参考資料】
ジャッジング システム テクニカルパネルハンドブック
 シングル・スケーティング 2014/2015版 2014年7月27日 版(日本語訳: 2014年8月16日 第1版)

国際スケート連盟コミュニケーション第1861号
国際スケート連盟コミュニケーション第1884号


ハンドブックp5、「スピンのルール」をこのまま読もうとしても文字の羅列でめまいがしそうなので、解体かつ要約していきます。この記事ではまずルールの「概要」のみ取り上げ、詳細は以降の記事で少しずつ追加していきます。
概要の本文に入る前に、ショートとフリーの各スピン要件についての概略を以下にまとめておきます。

1. スピン要件の概略(2014-15シーズン)ハンドブックp5後半より)

1.1. ショート
以下の3つのスピンを含むこと。
 1)フライングスピン
 2)単一姿勢のスピン
 3)1回足換えありのスピン・コンビネーション
ショート男子女子
ジュニア1)フライングキャメル
2)1回足換えのシット
3)1回足換えのコンビネーション
1)フライングキャメル
2)レイバック or サイドウェイズ・リーニング
3)1回足換えのコンビネーション
シニア1)単一姿勢とは異なる着氷姿勢
2)1回足換え(フライングスピン着氷姿勢
とは異なる姿勢)のキャメル or シット
3)1回足換えのコンビネーション
1)単一姿勢とは異なる着氷姿勢
2)レイバック or サイドウェイズ・リーニング
3)1回足換えのコンビネーション

◆フライング、レイバック:8回転 / 足換えスピン、コンビネーション(足換え):各足6回転
◆フライングスピンを除いて、ジャンプで開始してはならない。
※ショートのスピンにはさらに細かい要素の説明がありますが、それについては別記事で後述します。


1.2. フリー
3つのスピン。すべて異なる性質のものであること。
 1)スピン・コンビネーション:姿勢の数は自由。足換え任意。10回転。
 2)フライング・スピン または フライング・エントランスのスピン:6回転。
 3)単一姿勢のスピン:足換え任意。6回転。



2. ルール~概要ハンドブックp5より)

2回転の基本姿勢を伴わないスピンはレベルがなく無価値であるが、3回転に満たないスピンはスピンではなくスケーティング動作とみなされる。
1つの姿勢で必要な最少回転数は途切れない2回転である。この要求が満たされない場合、その姿勢は数えられない。頭、腕またはフリー・レッグのポジションの変形、回転のスピードの変化は許される。
姿勢:3つの基本姿勢がある:キャメル姿勢(フリー・レッグは後方に位置し、その膝がヒップより高い姿勢、ただし、レイバック、ビールマンおよび類似のバリエーションはそれでもアップライト・スピンとみなす)、シット姿勢(スケーティング・レッグの大腿部が少なくとも氷面に平行)、アップライト姿勢(キャメル姿勢を除き、スケーティング・レッグを伸ばして、あるいは少し曲げて行う全ての姿勢)。
基本姿勢以外の全ての姿勢は非基本姿勢である。
レイバック・スピンとは、頭部および両肩部が後ろに傾き背が弓形のアップライト・スピンである。フリー・レッグの位置は自由である。サイドウェイズ・リーニング・スピンとは、頭部および両肩部が横に傾き上体が弓形のアップライト・スピンである。フリー・レッグの位置は自由である。


【まとめ】
◆1つの姿勢と認められるには、途切れない2回転の基本姿勢(※1:キャメル・シット・アップライト)が必要。
◆3回転に満たないときはスピンとは認めない(スケーティング動作として扱う)。
◆回転途中の頭、腕またはフリー・レッグのポジションの変形、回転のスピードの変化はOK。

(※1)基本姿勢(3つ)
◆キャメル姿勢:フリー・レッグは後方、その膝がヒップより高い姿勢。ただし、レイバック、ビールマンおよび類似のバリエーションはアップライトとみなす。
◆シット姿勢:スケーティング・レッグの大腿部が少なくとも氷面に平行。
◆アップライト姿勢:キャメル姿勢を除き、スケーティング・レッグを伸ばして、あるいは少し曲げて行う全ての姿勢。
・レイバック・スピン
 頭部および両肩部が後ろに傾き背が弓形。フリーレッグの位置は自由。
・サイドウェイズ・リーニング・スピン
 頭部および両肩部が横に傾き上体が弓形。フリーレッグの位置は自由。
◆基本姿勢以外はすべて非基本姿勢。


いかなるスピンにおいても、エッジの変更は基本姿勢の中で行われた場合にのみ数えられる。
いかなるスピンにおける足換えにも、足換え前後にスピン姿勢が少なくとも3回転なければならない。
スケーターがスピンの入りで転倒した場合、転倒直後のスピンまたは回転動作は(時間を埋める目的で)許されるが、このスピン/動作は要素としては数えられない。
(足換えの前後の)回転軸が離れすぎ、“2つのスピン”の基準(第1部分の後に出(エグジット)のカーブがあり、第2部分への入り(エントリー)のカーブもある)が満たされる場合、足換え前の部分のみがコールされレベルの特徴の考慮がされる。


【まとめ】
◆全スピン共通
・エッジの変更は基本姿勢の中で行われた場合のみレベル上げ要件。
・足換え前後のスピン姿勢は少なくとも3回転。

◆スピンの入りで転倒した場合
転倒直後のスピン/回転動作は要素としては数えない。

◆足換えの前後の回転軸が離れすぎ、“2つのスピン”の基準(第1部分の後に出(エグジット)のカーブがあり、第2部分への入り(エントリー)のカーブもある)が満たされる場合、足換え前の部分のみがコールされレベルの特徴の考慮がされる。
※これは要約しようがないので、そのまま再引用しました。足換えするときに、離れたところに降りて、かつその出入り両方にカーブがあった場合、全体をひとつのスピンとして認めることはできないという意味かと思うんですが、この場合、ショートでは無価値、フリーでは足換え後のスピンが無視されるということになるようです(詳しくは別記事「明確化」の項で後述)。


スピン・コンビネーション:最低でも2つの異なる基本姿勢を含まなければならず、スピン中のいずれでもよいが、これらの姿勢はそれぞれ2回転ずつはなければならない。非基本姿勢の回転数は総回転数に数えられる。非基本姿勢への姿勢の変更は、姿勢の変更とはみなされない。足換えはステップ・オーバー(宙に浮かないでまたいでいる状態)またはジャンプの形で行ってよい。足換えや姿勢の変更を行うのは同時または別々のいずれでもよい。
単一姿勢のスピンとフライング・スピン(足換えや姿勢変更の無い、フライング・エントランスのスピンを意味する):非基本姿勢は許され、規定で要求されている総回転数に数えられるが、(この姿勢では)レベルの特徴は獲得できない。
単一姿勢のスピンとフライング・スピンでは、スピンを終了する際のアップライト姿勢は、スケーターが難度や美しさ等を高めることなくただ単にファイナル・ワインドアップを行っているだけの場合に限り、回転数にかかわらず別姿勢とはみなされない。


【まとめ】
◆スピン・コンビネーション
・最低でも異なる基本姿勢2つ。それぞれ2回転ずつ。
・非基本姿勢の回転数は総回転数に数えられる。ただし、姿勢の変更とはカウントされない。
・足換えはステップ・オーバー(宙に浮かないでまたいでいる状態) or ジャンプの形どちらでもOK。

◆単一姿勢のスピンとフライング・スピン
・非基本姿勢は、総回転数に数えられるが、レベル特徴にはならない。
・ファイナル・ワインドアップ(スピン終了動作としてのアップライト姿勢)は、回転数にかかわらず別姿勢とはみなされない。
こちらの解説(「TVでは教えてくれないフィギュアスケート観戦術」より)によると、以前はファイナルワインドアップも3回転を超えると違う姿勢としてカウントされる、つまりコンビネーションとみなすという時代があったようです。単独スピンのつもりが回りすぎて意図せずコンビネーションにされてしまうということがないように改訂されたということでしょうか。


スピンがジャンプで開始されるときには、踏み切り前の氷上での回転は許されず、ステップ・オーバー(宙に浮かないでまたいでいる状態)は、テクニカル・パネルにより基礎値において考慮がされなければならず、ジャッジによってGOEで考慮がされなければならない。


※ジャンプで入るスピンなのに、ジャンプにならずに「またぐ」ような状態になってしまったときは、基礎値もGOEも下げるという意味かな?すみません、ここよくわかりません。保留します。


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スピン概要は以上です。概要だけでこんなにある・・・。この後、要素についてもう少し詳しい説明と、レベル特徴、明確化と続く予定ですが、いつ終わるだろうか(遠い目)。



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