03.16
Mon
勉強ノート&メモ 2015. 03.16.Mon.09:58
※この記事は2014-15ルールに基づく記事ですので、ご注意ください。

また間が空いてしまいましたが、テクニカルハンドブックを読む「スピン」の続き、今回は、ショート、フリーにおける要件についてです。
特にショートの要素については、かなり細かい記載がありますが、前回はその概略のみとさせていただきました。今回はその詳細についても読んでいきます。

【教科書・参考資料】
ジャッジング システム テクニカルパネルハンドブック
 シングル・スケーティング 2014/2015版 2014年7月27日 版(日本語訳: 2014年8月16日 第1版)

国際スケート連盟コミュニケーション第1861号
国際スケート連盟コミュニケーション第1884号




1. スピン要件の概要

ハンドブックp5後半部分より、解体して引用。

1) ショート・プログラム、フリー・スケーティングにおける(足換え無しで1姿勢のみの)フライング・スピンでは以下が要求される

a) はっきりと分かるジャンプを行うこと;ジュニアのショート・プログラムにおいてのみ、スケーターは指定された空中姿勢を取ることも要求される。
b) 着氷後、最初の2回転以内に基本姿勢に達し、その姿勢に最初に達した瞬間から、その姿勢を2回転保持すること。

記号“V1”は、これら要件のうち1つの項目が満たされなかったことを示しており、記号“V2”は、両方の要件が満たされなかったことを示している。

2) 足換えを伴うどのスピンでも:左右の足それぞれに、少なくとも1つの基本姿勢を含むことが要求される。
記号“V1”は、この要件が満たされなかったことを示す。

記号“V1”が付いたスピンの基礎値は、SOV表のV1の欄に記載されたとおりである。
記号“V2”が付いたスピンの基礎値は、SOV表のV2の欄に記載されたとおりである。

2つまたは3つの基本姿勢がある(それぞれの基本姿勢で少なくとも2回転回っている)スピン・コンビネーションの基礎値はSOVに反映されている。



【まとめ】
◆フライング・スピン(足換えなしの1姿勢。SP・FSとも)
 a)はっきりとわかるジャンプ。ジュニアSPは、空中で指定された姿勢になること。
 b)最初の2回転以内に基本姿勢、そこから2回転。
基礎値は、片方が満たされなければV1、両方満たされなければV2。

◆足換えを含むスピンすべて
 左右の足それぞれに基本姿勢を必ず1つ含む。これが満たされなければV1。

※SOV、V1、V2って何だっけ?という方は、こちらの記事で復習を。



2. ショートプログラム特有の要素

2.0. ショート規定概略(2014-15シーズン)
※ハンドブックを読み進める前に、前回記事で書いた今シーズンの規定概略から。

以下の3つのスピンを含むこと。
 1)フライングスピン
 2)単一姿勢のスピン
 3)1回足換えありのスピン・コンビネーション
ショート男子女子
ジュニア1)フライングキャメル
2)1回足換えのシット
3)1回足換えのコンビネーション
1)フライングキャメル
2)レイバック or サイドウェイズ・リーニング
3)1回足換えのコンビネーション
シニア1)単一姿勢とは異なる着氷姿勢
2)1回足換え(フライングスピン着氷姿勢
とは異なる姿勢)のキャメル or シット
3)1回足換えのコンビネーション
1)単一姿勢とは異なる着氷姿勢
2)レイバック or サイドウェイズ・リーニング
3)1回足換えのコンビネーション

◆フライング、レイバック:8回転 / 足換えスピン、コンビネーション(足換え):各足6回転
◆フライングスピンを除いて、ジャンプで開始してはならない。


2.1. 女子:レイバックあるいはサイドウェイズ・リーニング・スピン

8回転の間アップライト姿勢に起き上がってしまうことなく基本のレイバックあるいはサイドウェイズ・リーニング姿勢が保たれるならば、どのような姿勢でもよい。“ビールマン・スピン”の姿勢は、レイバック姿勢(バックワードおよび/またはサイドウェイズ)で要求された8回転をうまく回り切った後にのみ、レベルを上げる特徴とみなされる。


【まとめ】
◆姿勢をきちんと保って8回転。
◆ビールマンは、レイバック姿勢8回転を終えた後のみレベル上げ特徴となる。

【補足】レイバック・スピン、サイドウェイズ・リーニング・スピンについて
◆レイバック・スピン
 頭部および両肩部が後ろに傾き背が弓形のアップライトスピン。フリーレッグの位置は自由。
◆サイドウェイズ・リーニング・スピン
 頭部および両肩部が横に傾き上体が弓形のアップライトスピン。フリーレッグの位置は自由。


2.2. 男子:足換えありの単一姿勢のスピン

シニア・ジュニア:スピンには1回のみの足換えを含まなければならないが、足換えは踏み換えで行ってもジャンプで行ってもよい。
シニア:スケーターはキャメル姿勢あるいはシット姿勢を選択しなければならないが、この姿勢はフライング・スピンの着氷姿勢とは異なるものでなければならない。
ジュニア:シット姿勢またはキャメル姿勢のいずれか指定された姿勢のみ許される。
シニア・ジュニア:スピンは足換え前後に少なくとも3回転なければならない。選択された基本姿勢(シニア)および指定された基本姿勢(ジュニア)が、各足少なくとも2回転ずつなければならない。この要求が満たされない場合、スピンには記号(V1)が付く。


【まとめ】
◆シニア・ジュニア共通
・1回の足換えを含むこと。踏み換え、ジャンプいずれも可。
・足換え前後に少なくとも3回転、基本姿勢が各足2回転。満たされない場合V1。

◆シニア
・キャメル or シットを選択。ただし、フライング・スピンの姿勢とは異なるものにする。

◆ジュニア
・キャメル or シットのいずれか指定された姿勢。2014-15シーズンは、シット。


2.3. 足換えありのスピン・コンビネーション

スピン・コンビネーションは、最低でも2つの異なる基本姿勢を含まなければならず、そのいずれの姿勢でも2 回転が必要であり(各姿勢で2回転を行った基本姿勢が3姿勢に満たない場合、それはスピンの価値に反映され)、1回のみの足換えを含まなければならずそれぞれの足で6回転以上必要である。足換えは踏み換えで行ってもジャンプで行ってもよい。足換えと姿勢変更は同時に行っても別に行ってもよい。
(各基本姿勢で少なくとも2回転回っている)2つまたは3つの基本姿勢がある足換えありのスピン・コンビネーションの異なる基礎値はSOVに反映されている。


【まとめ】
◆最低でも2つの異なる基本姿勢×2回転以上。全体で2姿勢か3姿勢かで基礎値は異なる。
◆1回のみ足換えを含み、各足6回転以上。踏み換え、ジャンプいずれも可。


2.4. フライング・スピン

シニア:単一姿勢のスピンとは異なる着氷姿勢のあらゆるタイプのフライング・スピンが許される。着氷姿勢は空中姿勢と異なってもよい。
ジュニア:指定された“フライング”姿勢またはその変形のみが許される。着氷姿勢は空中姿勢と同じでなければならない。ショート・プログラムでフライング・シットスピンが要求される場合、着氷時の足換えは許される。
シニア・ジュニア:踏み切り前に氷上で回転することは許されない。空中姿勢は空中で達成されなければならない。要求される回転は、着氷姿勢のどのようなバリエーションで行ってもよい。


2.5. フライング・スピンと単一姿勢のスピン

シニア男子のフライング・スピンの着氷姿勢が単一姿勢のスピンと同じ姿勢の場合、これら2つのスピンのうち後に行われたものはカウントされないが、スピン・ボックスを占める。


【まとめ】
◆シニア:着氷姿勢は単一姿勢と異なれば何でもOK。同じ姿勢で行った場合、後に行われたものはノーカン。
◆ジュニア:指定された姿勢のみ。空中で着氷姿勢と同じものに達すること。2014-15シーズンはキャメル。



3. フリー・スケーティングの要素

男子・女子(シニア・ジュニア)のバランスのとれたフリー・スケーティング・プログラムは最大3つのスピンを含まなければならない。
そのうち1つはスピン・コンビネーション、1つはフライング・スピンまたはフライング・エントランスのスピン、1つは単一姿勢のスピン。

全てのスピンは、異なる性質のものでなければならない。いかなるスピンも、それ以前に行われたスピンと同じ性質(略記号)のものであれば、コンピュータにより削除される(が、1つのスピン・ボックスを占める)。

行われたスピンの中にフライング・エントランスのスピンが無いまたは単一姿勢のスピンが無いまたはスピン・コンビネーションが無いという場合、間違って行われたスピンがコンピュータにより自動的に削除される。

スピンは要求された最少の回転数を回らなければならない
フライング・スピンや単一姿勢のスピンは6回転、スピン・コンビネーションは10回転しなければならない。
回転数不足は、ジャッジにより採点に反映されなければならない。
要求された最少回転数は、(単一姿勢のスピンとフライング・スピンのファイナル・ワインドアップ[参考サイト]を除いて)スピンに入ったときからスピンの終了まで数えられる。
スピン・コンビネーションと単一姿勢のスピンにおいては、足換えは任意である。
スピン・コンビネーションにおいては、異なる姿勢の数は自由である。


【まとめ】
3つのスピン。すべて異なる性質のものであること。
 1)スピン・コンビネーション:姿勢の数は自由。足換え任意。10回転。
 2)フライング・スピン または フライング・エントランスのスピン:6回転。
 3)単一姿勢のスピン:足換え任意。6回転。

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おつかれさまでした。こうやって見てみると、フリーよりショートの規定の方がかなり細かいのですね。よく読むまで知りませんでした。確かに「フリースケーティング」ですから、当然と言えば当然かもしれませんが(^^;)。
この後、まだスピンに関する記載は、「レベル特徴」「明確化」と続きます。内容としては重複する部分も出てきますが、より詳しくジャッジが何を見ているのかが書かれていますので、また次回以降でとりあげます。なかなか大変ですが、読み進めるうちに特有の言語表現に若干慣れてきたのと、重なる内容もあるので、少しずつですが理解が楽になってきたように思うのは気のせいでしょうか?そして、あらためて思いますが、こういったことすべてに対応している選手のみなさんには本当に頭が下がります。

本記事最後には、以前にもご紹介したことのあるものですが、スピンの種類の復習も兼ねて、動画をどうぞ。

【動画】
フィギュアスケート解説 スピンポジション
※少し古い動画なので、記載されているカテゴリー数などはこの後変更されていますのでご注意を。ポジションの実例としてご覧ください。


◆Figure skating spin medley


◆荒川静香のフィギュアスケート講座~スピンの軸


◆荒川静香のフィギュアスケート講座~スピンのチェンジエッジ



スピンの種類
◆アップライト(U)
 UF:アップライト・フォワード
 US:アップライト・ストレートまたはサイドウェイズ
 UB:アップライト・ビールマン
 UL:アップライト・レイバック
◆シット(S)
 SF:シット・フォワード
 SS:シット・サイドウェイズ
 SB:シット・ビハインド
◆キャメル(C)
 CF:キャメル・フォワード
 CS:キャメル・サイドウェイズ
 CU:キャメル・アップワード
◆非基本姿勢(NBP)

それぞれの主なポジションについては、ハンドブック p13 にも画像があります。
ISU テクニカルパネル ハンドブック(シングル・スケーティング2014/2015版)


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